鮎釣り師ガバチャのひとり言

釣りあげた鮎で仲間と酒を飲む   これ人生のユートピア!


    ガバチャのエッセイ

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     幼なじみのT男とR子が結婚した。
     ボクらは高知の山村のわずか24人のクラスだった。
     結婚したのが昨年なので、50歳を過ぎて幼なじみ同士が結ばれたことになる。

     この二人は小学生の頃からカップルだった。
     きっかけはボクが冷やかして言いふらしただけのことなのだが。

     中学を卒業するまで二人には何事もなかった、ようだ。
     でも、意識をしあっていたのは間違いない。
     ことある毎に、ボクやみんなから冷やかされて赤面していた。

     高校に上がると、二人は離ればなれになった。
     成人すると二人ともそれぞれの家庭を持ち、違う人生を歩んだ。

     ここまでなら、どこにでもある話。

     ところが、数年前の同窓会で異変が起こった。
     T男がみんなの前ではばかることなく「離婚した」と言う。
     すると、R子も「実はあたしも離婚してたの」と言う。

    「昔のカップル同士独身になったんなら、いっそ結婚したらどうだ」
     と、ボクの冷やかしにみんながドッと沸く。

     これが現実となった。

     自分にもある初恋の思い出。
     いくつになっても色あせることのない想いにこの二人、どこでどう弾みがついたのか。
     ゲスの勘ぐりのとどく範疇ではない。
     スピード感のありすぎる世の中で、普遍的な心情が数十年もの歳月を経て結ばれた奇跡を心から喜びたい。

     それにしても、人生とはわからないものである。
     そして、人生とは自分で切り開こうと思えばどうにかなるものなのかもしれない、とも思った。

     先週末、高知に帰郷して友人らと飲んだ。
     T男とR子は、清流の傍らに小さな新居を構えて幸せに暮らしているという。

     最近はT男とR子が仲良く竿を伸ばして鮎を釣っているらしい。
     鮎釣り師のボクらと違って、二人だけがその晩食べる鮎が釣れたらいい。
     春には山菜を採り、秋には満天の星空を眺め、冬にはこたつに丸まって・・・・・・爛熟の時間をしっかりと紡ぎ綯ってもらいたい。

     結婚報告の際、R子がはにかみながらボクに言った言葉が胸を突く。
    「あたし絶対に幸せになるから」

     二人の結婚はボクの小学生の時の冷やかしから始まったのだ。
     絶対に幸せになってもらわなくては、困る。

     






















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     鮎釣りの解禁日に強い風が吹いた。
     河原へと降りるあぜ道で、ふと雑草の中にまみれた小さな花が目にとまる。

     いつもなら気にもとめない花なのに、なぜか鮮やかに見えた。
     強い風が吹かなければ目にはとまらなかっただろう。

     花にとっては化外(けがい)の地ともいえるスケール。
     なのに、風のざわめきを楽しんでいるかのように誇らしげに揺れている。
     たじろぐことなく、ちゃんと春を知って凛と咲く姿に一瞬心がほころんだ。

     3.11以降、どこか違う世界に生きているような感覚を覚えていた。
     塞ぎ込んだままでは心配をかける人がいる。
     楽しくしていれば安心してくれる人がいる。

     ぼんやりとした煩悶の中、できることから少しずつちゃんとやっていこう、と前を向いたばかりだった。

     大げさかもしれない。
     がしかし、この草花が「生とは何か」をいみじくも問いかけているように思えた。
     果たして、使命感とは単なる本能なのだろうか。
     ないまぜな悲喜に向き合い続けているのは人間だけとは限らないのではないのか。

     自分らしさを取り戻してみよう。
     そう思って、釣り竿を肩にあぜ道を駆け下りた。

     腰を落として早瀬を渡ると、にわかに風が緩む。
     若鮎のライズが冷たい水をはじいた。

     川面には春というよりかはむしろ初夏に近い匂いが立ちこめている。
     ボクは石裏のよどみに脹ら脛まで浸かると、新緑に競り囲まれた狭谷を見上げ鮎竿をゆっくりと伸ばしていった。

     今日はおもいっきり釣ってやるぞ、と。


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     和歌山で勤めていた時、職場のフェンスに暴走族風の車がつっこんだ。
     警察が来て「てきゃ、てきゃ」と現場検証をする。

     敵ゃ、とはかなり敵対してるなと思ったら「てきゃ」は「彼」と言う意味の三人称単数であった。
     和歌山の彼は敵味方関係なく「てきゃ」である。

     仕事で現場監督に出ると、いかつい土木作業員が仕上がったコンクリートの壁を見て「美しい」とだみ声を上げる。

     仕事が終わって、汚れた長靴をタワシで洗ってもひげ面のおっさんらは「美しい」とだみ声を連発する。
     美しいの適応範囲が広く違和感を持ったが、これが最上級になると「がいに」が付く。

    「がいに、美しいやして~」とスナックで和服のママさんがカウンターの隅に置かれた花束をうっとり愛でる。
     最上級は微妙~だと思った。

     職場レクでおでんを作っていたら空だきになるほど煮すぎてしまった。
     先輩が蓋を取って「あかな、こりゃあ、けつけつにもじけてしもうちゃあら」と水を足す。
     えっ、なに?・?? 

     ぜんぜんはデンデンと発音する。
     職場の女性が相手先に電話がつながらず「デンデン出ん」とぼやく。

     パチンコ屋で「どうや?」と訊いたら「デンデン」とそっけなく答える。
     この場合は「全然」でも「出ん出ん」でも話が通る。

     銅像はドウドウだ。
     もし、堂々たる象の銅像があったら、ドウドウたるドウのドウドウとなる。
     
     「居る」を「ある」と言う。これが一番驚いた。
     在宅の確認を「おとうさんあるか?」「ないわ」とやられる。

     まあいい、明日にでも粗大ゴミに出されそうな自分には和歌山弁で正解だえっ


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     高知に「のうが悪い」と言う言葉がある。
    「具合が悪い」「使い勝手が悪い」と言う意味だ。

     他県には絶対通じない。
     高知のゴルフ場で。折れた傘の柄を持ちにくそうにして一緒にプレーしていた県外人に「おまん、のうが悪いろ」と高知人が言った。

    「君、その傘は使い勝手が悪いだろう」と言う意味だが「君、脳が悪いだろう」と県外人の耳につき刺さった。
     スコアの上がらない県外人がマントヒヒのように赤面してマジ切れたというドンッ

     高知県人は言葉を略さない。
     ちゃんと一つ一つのひらがなを押すように発音する。

     携帯をケータイとは言わない、ケイタイとしっかり発音する。兵隊をヘータイと言わないヘイタイと言う。
     明治になって、丁寧に発音する高知人は政府から認められ国語の先生として東北地方などに赴いたという。

     東北弁は「しかたがないでしょう」を「んがね」、「そうでしょう」を「だす」と言う。極寒だと悠長にしゃべってらんねえ。
     そんな気候が単語ならぬ短語を生み出したのだろう。

     ボクは、端的なのに情緒がすうっと染み入る東北弁が好きだ。
     東北弁に限らずその土地どちの言葉があっていい。標準語など大きなお節介だ。

     なまじ言い方で持ち上げられた高知人は、胸を張って議論好きになったという。
     酒を片手に、犬と猫のどちらが賢いかを朝まで言い争う。

     内容は問題ではない。ありったけの知恵とボキャブラリーを出し尽くすことに意義がある。
     どんなに言い合っても前には太平洋、後ろには四国山脈しかない。

     とことん言い合える条件はそろっている。

     やっぱりガバチャも、そんな高知県人中の高知県人ながやと思うがぜすにひひチョキ


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     鮎カテゴ以外の方も多く閲覧されているようなので、「鮎の友釣り」につい触れておきたいニコニコ

     釣りと言えばハリにエサをつけて釣るのが一般的だが、鮎釣りは原理が違う。
     鮎は、川底の石についている苔(こけ)を食べる。

     その食べる場所は自分の縄張りとして、他の鮎が進入してくると体当たりをして追い払う。
     この縄張り争いの習性を利用したのが、鮎の友釣りだ。

     どう釣るのか。
     釣り方の手順は、まず鮎の鼻の穴に釣り糸に結わえたイヤリングのような丸い鼻カンというものを通す。この鼻カンにつながれた鮎をおとり鮎と言う。このおとり鮎を長竿で馬の手綱さばきのように操り野鮎のテリトリーに進入させケンカをさせる。

     おとり鮎には尻ビレの下に釣り針を三本束ねたイカリのような掛かりバリが仕掛けてある。
     縄張りを持つ野鮎が怒って体当たりしてくるとそのイカリバリに掛るという仕組みだ。

     掛かるとおとり鮎と野鮎の2匹がもがいて引き合うため手応えは強烈なものとなる。それを水中から引き抜いてタモ網で受け、今度は掛かった野鮎をおとり鮎として循環使用する。

     鮎の友釣りは野鮎の魚体に針を引っかけて釣り上げるため、よく「掛けた」と言う。また「友釣り」を「友掛け」とも言う。

     なんでケンカするのに友なのか。
     これは鮎の体当たりがケンカではなく友達同士がふざけてじゃれているとの解釈から来ているらしい。

     最初のおとり鮎はどうするのか。
     それはおとり屋さんで買う。
     一匹500円程度。

     友釣りの歴史は古く、そのはじまりは諸説ある。
     が、関西人なので江戸時代に兵庫県の揖保川流域の下駄職人が始めたことを信じたい。

     ある日のこと、下駄職人は橋の上から川をのぞいているうちに鮎がしきりに体当たりをしてケンカをする様子に気がついた。ならば一方にハリをつけておいたら引っかかるのではないのか、と。

     まず下駄の材料で鮎の模型をつくり、それで友釣りをしたのだが思うように掛からなかった。それでは、と今度は捕らえた鮎の鼻に糸を通して針を付けて泳がせたところ、おもしろいように釣れた。

     これが友釣りの原型となり、全国に広がったということだ。

     友釣りの道具は今日まで飛躍的な進化を遂げたがその極意は今も昔も変わらない。
     如何におとり鮎を自然体で泳がせるかにかかっている。

     野鮎に気付かれないように長い竿、おとり鮎に負担をかけないように細い糸が必要となってくる。今や9メートルもの長竿は200グラムを下回りリンゴ1個の重さとなった。また糸は最も細いもので0.03ミリ程度と髪の毛よりも細い。

     このような道具の進歩で昨今の鮎がよく釣れだしたか、というとなかなかどうしてという状態だ。なぜだか最近の鮎は仲がよい。本当の意味での友になった感じだ。

     ケンカをしてもつかみ合いにまでには至らず口ゲンカ程度で終わる。だから錨針に掛からずなかなか釣れない。
     むしろ、釣れないでいらいらしてる釣り人の方が場所取りでケンカをしているほどだ。

     釣り人に錨ハリを仕掛けたら一発で掛かりそうな場面をよく目にする
     が、なにごとも趣味なのだから穏やかにいきたい。

     まあまあそんなに熱くなるなよ、と水中の野鮎たちに笑われないようにいつも笑顔で楽しく竿を伸ばしたいものであるにひひ


     
     
     鮎釣りで最もエキサイトなシーンは鮎が掛かった時だドンッ


                        フルッチドンッ  クーッ!!
    鮎釣り師のひとり言

     
     やまもったんドンッ  キターッ!!
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     アユノスケ師匠ドンッ  ググッー!!
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                   オーイカズ会長ドンッ  カーッメラメラ


     で、釣った鮎は河原でガバチャがソッコウ焼きますっ爆弾
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