鮎釣り師ガバチャのひとり言

釣りあげた鮎で仲間と酒を飲む   これ人生のユートピア!


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     徳島の立ち食いうどんで勘定を小銭で払った時に、「ちゃんとあったかな?」と確認したら店主が数えながら「あるでないで」と返事を返す。
     ボクはあったのかなかったのかわからずもう一度訊いた。

    「だから、あるでないで」と店主は平然と答える。
     あるでないでは、ありますよと言う意味だった。無いときは「ないでないで」なので大変よく分かる。

     徳島でゴルフコースに出た時、こんなプレー速度でいいのかなーと思って徳島の人に訊いてみたら、「かんまん、かんまん」と言う。ボクはもっと「緩慢」にゆっくりやれと言われたと思い、じっくりとプレーしていたら「もっと早よやれっ」と皆から叱られたえっ
     かんまんとは、かまいませんそれでよろしいですよと言う意味だった。

     徳島の朝市によく行った。並べられた魚を囲んで「えっとぶり、えっとぶり」という声が交わされる。
     魚のブリの種類かと思って、どんなブリですかと訊いたら「久しぶり」だと答える。ひさしブリ? ははっ、ボクはシャレだと思って笑った。
     後で、徳島が久しぶりをえっとぶりということを知った。

     難波から和歌山への南海電車で、「ほなけんなー」と言っている人は100パーセント南海フェリーに乗って徳島を目指す。徳島弁の最もメジャーな接続詞、「ほなけんなー」を覚えれば、徳島県人の仲間入りをほぼ手中に収めたと言っていい。

     徳島弁は全体丸みがあって柔らかい。特に女性が使うと、ハートをわしづかみにされるような魅惑がある。そしてまた叱られるときも徳島(の女性)の方がいい。

     高知や和歌山ではきつすぎて身が持たんのじょ~、と思う。・・だろべーっだ!




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     高知に「のうが悪い」と言う言葉がある。「具合が悪い」「使い勝手が悪い」と言う意味だ。他県には絶対通じない。

     高知のゴルフ場で。折れた傘の柄を持ちにくそうにして一緒にプレーしていた県外人に「おまん、のうが悪いろ」と高知人が言った。

    「君、その傘は使い勝手が悪いだろう」と言う意味だが「君、脳が悪いだろう」と県外人の耳に刺さった。スコアの上がらない県外人がマントヒヒプンプンのように赤面してマジ切れたという。

     高知県人は言葉を略さない。ちゃんと一つ一つのひらがなを押すように発音する。
     携帯をケータイとは言わない、ケイタイとしっかり発音する。兵隊をヘータイと言わないヘイタイと言う。

     近代、丁寧に発音する高知人は政府から認められ国語の先生として東北地方などに赴いたという。
     東北弁は「しかたがないでしょう」を「んがね」、「そうでしょう」を「だす」と言う。 極寒だと悠長にしゃべってらんねえ。そんな気候が単語ならぬ短語を生み出したのだろう。ボクは、端的なのに情緒がすうっと染み入る東北弁が好きだ。

     東北弁に限らずその土地どちの言葉があっていい。標準語など大きなお節介だ。

     なまじ言い方で持ち上げられた高知人は、胸を張って議論好きになったという。
     酒を片手に、犬と猫のどちらが賢いかを朝まで言い争う得意げ 内容は問題ではない。ありったけの知恵とボキャブラリーを出し尽くすことに意義がある。

     どんなに言い争っても前には太平洋、後ろには四国山脈しかない。とことん言い合える条件はそろっている。

     やっぱり、オラァ、そんな高知県人中の高知県人ながやと思うがぜす。




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