いわゆる「ワシントンの正直桜」の話はあまりにも有名だ。
 アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは
 子供の頃、お父さんが大切にしていた桜の木を切り倒してしまった。

「これは誰が切り倒したのだ」

 父が尋ねると

「はい私が切り倒しました」

 とジョージ・ワシントンは正直に答えた。

 父はワシントンの正直なことを大変喜んだという。

 

 今シーズンの8月

 ジョージ・ガバントンらも
 鮎釣りをしていてこの話と似て非なる出来事に遭遇した。

 
 それは、ガバントンの父がガバントン・ジュニアに鮎竿を貸していた時のことだ。

 竿はヤフオクで21万円で買ったダイワのスペシャルSF90。

 場所は有田川のダム下だった。


 ガバントンの父はガバントン・ジュニアらが釣っている現場に行って驚いた。

 それはそれは大切なダイワのスペシャルSF90が真っ二つに折れて河原に転がっているではないか。

 冷静さを失った父は
「おいこらっ!」
 と、ちんたら竿を伸ばしている二人を呼びつけて言い放った。


「これはいってー誰が折ったんじゃが?」


「おいらじゃねえっす」

 ジョージ・ガバントン・ジュニアは毅然と答えた。


 ガバントンの父は今度は女鮎釣り師KUUに目を移した。

「じゃあワレが折ったんかえ?」

「けっ、あっしのわけねえっしょー。ガバントン・ジュニアにきまってんでしょうがー。だいたいこらおっさんワレってどこ見ながら言うとんじゃー ワレー」

 女鮎釣り師KUUは昼間から河原でワインを一本空けすっかり出来上がっていた。


 父が腕組みをして首を傾げた瞬間、いきなりKUUの前蹴りがガバントン・ジュニアの股間に命中した。
 ガバントン・ジュニアは悶絶しながらも飛びついてKUUの鼻にかみつき二人の激しい取っ組み合いが始まった。


 慌ててガバントンの父は二人の中に入り取っ組み合いを離すと思った。


 これはKUUがあまりにも酔っているため真相究明には困難を極める。

 まるで今の相撲界で起きている「日馬富士の暴力問題」と同じではないか。


 今思いつく最良の解決方法はこれしかない。

 ガバントンの父は二人に向かって声を張り上げた。


「では、当事者同士が相撲を取って決着をつけなっしゃい!」



 

 了解す!

  おら
  おら
  おら
  おら
  おらーっ
         ギャー

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