終盤の吉野川(徳島)の鮎釣りを振り返ってみる。
 
 友釣り専用区は釣り荒れ気味とのことで、あえて区域外を選んだ。
 区域外はコロガシの残骸が根掛りするという嫌なリスクを伴う釣りとなる。

 貞光という町の河川に釣りバカ6名で降りた。うち4人はすぐに水深のあるトロ場に竿を伸ばす。
 グズグズしていた私とフルッチは入る場所を失い上手の瀬に向かう。

 先行のフルッチは瀬落ち付近で流れがやや緩やかになったところに竿を伸ばした。
 仕方なく私はもっとも流れの強い荒瀬に竿を構えることにした。

 コロガシも入らないほどの急流。腰まで浸かって上手に体を預けると徐々に押し流される。
 流されたらそのまま人生が終わりというコワい釣り場だ。

 仕掛けを思案した。
 オーナーのTG01で作った仕掛けがポケットにない。
 あるのは予備のメタコンポ015。

 ツケ糸はビミニツイストで結束したフロロの05。
 
オモリは持っていた中で一番大きな4号をかます。針は満開チラシの9号だ。
 
 鮎の友釣りは一に場所といわれる。
 ここはきっと誰も手の付けられていないサラ場のはず。居たら一発でかかる。
 と、おとりを鮎を送り込む。が、流れの緩そうなところはどこにもない。

 竿を繰るも手元に全くコツコツという感触がない。
 おとり鮎が底を取っていない証拠だろう。

 養殖のおとり鮎を手元に戻すと、早くも口が開き気味で青色吐息だ。
 タングステンの比重19のオーナーTGなら展開も違ったのかもしれない。

 ツケ糸をはさみでちょん切ってほとんどなくした。ワンピース中ハリスのようだが、もともと中ハリス自体がそれほど長くない。

 で、オモリをおとり鮎の鼻先にかます。
 オモリを鼻カンから20センチほど離してかます通常のオモリ釣りとは違い、おとり鮎の自由度は全く失われる。

 が、ここではおとり鮎を沈めることが先決で、極論すればおとり鮎が半死にでもいいと思っている。
 底を取れば表面流より遅い流れになじんでくれるはずだ。
 また、この位置にオモリを付けると根掛りも少ない、ような気がする。

 友釣りは「1に場所、2におとり、3、4が無くて5に仕掛け」
 と習ったが、このケースにそれはあたらない。

 「1に場所、2に仕掛け、おとりは死んでも仕方ない」だ。

 ここがサラ場なら
 イライラした野鮎のそばにおとり鮎がチラついただけで突進されるはず。
 と信じて念じて、強烈な押しにゾンビ状態のおとり鮎を送り出す。

 流れに身を持たれかけ、面的に空白地帯の無きよう右往左往させる。

 と
 ガツーン! きたーっ!
 ノされるのに耐えて、反対側に竿を倒してタメる。

 グイグイとマッスルモンスターに対峙してしなる鮎竿。
 見上げるとダイワのエアメガトルク急瀬85のブン曲がり胴がギラリと陽光を弾く。

 ジリジリッと距離を縮めやっとこさ浅場に誘導。
 体を伸ばして両手を突き上げたら丸太ん坊鮎が飛んできた。

 ドスンッ!

 27センチの魚体がたも網の中で白い腹をバシャリと返す。

 とてもおとりには使えない。やれるところまでゾンビ鮎にやってもらうしかない釣りだ。

 半日やって19匹。
 27センチ筆頭であとはほとんどが24センチクラス。

 引き回された後遺症
 腕のシビレがジンジンジンジン止まらない。

 筋肉疲労の対価
 瀬釣りの「幸せいっぱい還元セール」を堪能。

 心地よい疲労感に包まれたながら皆で飲む夕餉の宴の生ビール。
 それは、還暦前の枯れた喉をグィッと潤しながら全身の細胞に染み込んで・・・・・・

 そう、鮎釣りも胃袋も、お金も

ドカンピュー!
 
 な、吉野川遠征釣行でした。
平成29年10月1日吉野川