なんの店だったか、ある飲食店に入ったら若いウェイトレスが笑顔満面で「ハイ喜んで!」を連発する。

「あのぉ注文を」
「ハイ喜んで!」

「あのぉお水を」
「ハイ喜んで!」とやたら快活だ。

 ボクはトイレをこらえていたので「あのぉトイレは?」と場所を訊いたら「ハイ喜んで!」ときた。
 そんなんで喜こばれてもなぁ、と本人を見たら口に手を当て紅潮していた目

 よく行く吉野家は「はい並いっちょう~」と誰かが言うと「はい並いっちょう~」と店員同士で呼びかけ合う。「はい駐車場に車一台入りましたぁ~」「はいお持ち帰りひとつ入りま~す」などとやたら呼びかけ合いの威勢が良い。

 食べ終わってお勘定の時に「レシート下さい」と言ったら、「はいっレェシート一枚出ま~す」「はいっレェシート一枚出ま~す」とやられた。

 たった300円弱のブタ丼だヨ。
 手のひらに隠れるような小さなレシートでそこまで吠えまくられてもな~、とチト恥ずかしく思ったラブラブ!

 どれもこれもマニュアル通りなのだろう。
 人のことは言えない。

 ボクの職場もマニュアルで動いている。
 気がつけばマニュアル本を開きみんなで応用の利かない前例主義に陥っているのだ。

 たった一冊の本が職場を統制し、大げさに言えば社会全体を作り出している。
 考えてみれば滑稽でもある。人間とはそれほど単純に統制されるものなのダ。だが、やがて身体能力を遙かに超えて発達した武器を身につけるに至った今日を考えれば笑えない。

 大切なのは柔軟なる応用と見直しだ。
 その感性は職場では磨かれない。

 鮎釣りでなら磨かれるチョキ。
 マニュアルのない経験だけの世界にひたるとよくわかる。

 長竿を持って川に入る。
 隣の釣り人が前の深場に進むと自分はもっと前に出ようとする。最初は膝ぐらいしか浸かってなかったのに互いの意地がぶつかり合い、だんだん前に出て気づいたら胸まで浸かっていたりする。

 そしてついに流されたり、流されなくとも対岸の木に竿先を絡めたりして、も~っとか焦って竿を引っ張るとテグス糸につながったおとり鮎が木の上に吊り上がって行く。

 くそーっと引っ張ればよけい上がっていってついに雑木の上で宙ぶらりんになる。水遊びの家族連れらに笑われ、寄ってきたカラスにまでカァカァと笑いたてられ、赤面してすたこらと退散だロケット

 対処マニュアルはない。
 何から何までが偶然だ。

 だから楽しい。
 応用と見直しがじゃんじゃん磨かれる。

 そうだいいことを思いついた。

 あの「ハイ喜んで!」のウエイトレスに「今度ボクと一緒に鮎釣りに行きませんか」と誘ってみよう。
 マニュアル通りなら間違いなくいい返事が返ってくるはずだべーっだ!





ウェイトレスがこの方によく似ていましたネ。
こんな笑顔ならマニュアル通りでもウェルカムだぜ
クラッカー


この方には天性の応用と見直しが備わっているようで好感が持てます合格
踊りだけならマイケルジャクソンに追いついた?



演歌の世界にエレキで応用と見直しを取り入れようとするこのお方には脱帽アップ


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