ファッションにはTPOがある。天才バカボンのように浴衣に運動靴を履いていたら笑われるだろう。

 だが、去年の冬その天才バカボンのパパにしてやられた。ドンキホーテで買ったバカボンパパのジャージにだ。

 インフルエンザ並みにきついウイルス性腸炎でうなされ、意識もうろう状態でそこいらにあるものを着て医者に向かった。体温を計ると39度メラメラ うわーと顔をしかめる看護婦さん。ふらつくボクにお年寄りたちも驚いている。

 が、なんとなく。なんとなくだが、ちょっと笑ってるような気配を感じる。お年寄り達もヒョエヒョエとボクを見て。診察の女医先生もクスクスッと。
 帰り、看護婦さんから薬をもらって背を向けたら「ガバチャさんお大事に~」の語尾がヒョエッとしゃくっている。

 なんだよ人の不幸を、と思っても怒る元気もない。
 ふらふらと家に帰り着き洗面所でうがいをしていて気がついた。

 「あ、なんやこれぇ」よりによってバカボンパパのジャージ着て行ったんかえっ

 写真のとおり、背中にはデッカク「これでいいのだ」と書かれてある。いいわけはない。39度でゆでだこみたいにふらふらしてんのに、これでいいわけないんだよ! と、ジャージを脱ぎ捨てたが、やっぱり「これでいいのだ」と広がってしまった。

 ガバチャも天才一家にはかなわない。バァーカボンボン音譜







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