神戸で友人のH君と飲んだ帰りに易者が目にとまった。紺の作務衣に白いあご髭の易者は小机に背筋を伸ばして座っていた。
H君が、付き合ってる彼女との将来を占ってもらおうと近寄る。
一万円と言う高い占い料を聞いて躊躇するH君。五千円に負けろと声を上げる。
首を横に振って易者一歩も譲らず。もう財布に五千円しかないんやとしつこくH君。
じゃあ、と易者はH君の手を取って半分だけ占ってあげましょうと妥協案を提示した。
う~んと言いながらH君、渋々易者に握られた手を開いた。
本人の性格や彼女との相性などをぼちぼちと語り始める易者。
うんうん、おぉーと時折目をむくH君

いよいよ話がクライマックスにさしかかろうとしたとき、易者がH君の手をぱっと離した。
「はい、ここまで」
とそっけなく易者。
「ちょ、ちょっと結婚はどうなるんや?!」
と、せき立てるH君。
「五千円はここまでぇ」
と横を向く易者。
「え~、そんなぁ。ここからが大事なところやんか」
と口をゆがめてH君。
斜めを向いたままだんまりを決め込む易者。
どうしても最後まで聞きたくなったH君。ボクに移すまなざしが五千円を貸してくれと言っている。
借りた金で自分の将来を占うというのもどうかと思ったが、H君の気持ちを斟酌して五千円を貸してあげた。
結婚は2年以内にできるし、子宝にも恵まれる。と滑舌よくハッキリ答える易者
喜ぶH君はありがとうありがとうと何度も易者の手を握り返した

そんなに喜ばれても、みたいな顔で一応愛想笑いで応える易者もまんざらでもなさそうだった。
翌日、五千円を返しに来たH君。
ボクは洒落っ気のつもりで「占いが当たったら五千円はおまえにやる。外れたら返せ」とやった。
果たしてその結果は。
めでたくも無事、ボクのもとに五千円は返ってこなかった。
H君はその彼女と結婚し、三児のパパとなって現在香川県高松市で幸せに暮らしている。
ポチッと応援ヨロシク

超燃える鮎友釣り もヨロシク
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「五千円はここまでぇ」
と横を向く易者。
「え~、そんなぁ。ここからが大事なところやんか」
と口をゆがめてH君。
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