揖保川の話です。
揖保川では瀬付き鮎を狙って
連日40~50匹の巨鮎を皆さん釣り上げられているらしいのです。
瀬付き鮎を釣ることの是非については個人個人の考えに任せて
私はニュートラルな気持ちでいたいと思います。
私が今回揖保川に来て興味を持ったのはその瀬付きの場所のことです。
私たちが地元の人に案内された場所は
下流域の工事用トンパックの置かれた場所でした。
少し前に河川工事が行われてブルが小砂利をあちこち押し均していたらしいのです。
それが瀬肩のあたりに散らばりました。
白い色をしているとのことなのでひょっとしたら砕石なのかもしれません。
そこが偶然にも人口の産卵場所みたいになって鮎が瀬付いたらしいのです。
瀬付きなので入れ掛かりです。
しかも揖保川の鮎はデカイ。
早瀬で25センチ以上がバンバン掛かります。
私は早く切り上げたので川から上がってからその話を聞かされました。
それから話を聞いた私の知り合いはそこで竿を出して入れ掛かりになったとのことです。
瀬付きを釣るのに技術はいらないのです。
養殖のメス鮎を3匹でも持っていれば三桁釣りも可能です。
10年ほど前には有田川でちょっとしたブームになって
連日のように100匹、200匹という瀬付き鮎の釣果が出たことがありました。
が、今はそのブームも去ったようです。
私は瀬付き鮎というものを知らない時に日高川で97匹掛けました。
全部22~23センチだったので引きは強烈でした。
水深50センチくらいの早瀬です。
メス鮎は20匹くらいしか釣れませんでした。後は鉄の錆びた色のオスばかり。
鮎の産卵は一匹のメス鮎を二匹のオス鮎が挟むようにして行われ
その後ろにはおびただしいオス鮎が食卵のために集まっています。

だからメス鮎をオトリにしてチラシバリをセットしていれば次々と鮎は掛かるのです。
メス鮎が死んでもオモリをかまして沈めれば掛かります。

一昨日、グレートワーポンが釣った鮎を見せてくれました。
鉄の錆びた大きなオス鮎です。
「このオス鮎のシッポのところ傷ついているんやけどどうしてやろか?」
と見せてくれました。
鮎は産卵の時に小さな浮石の下の方に卵を産み付けようとします。
そのためシッポでその小石をひっくり返しているのです。
「それで傷ついたのかもしれませんね」
そしてその卵の粘着力と言ったら大変なものがあります。
クーちゃんが釣った鮎をたも網に入れていたらメス鮎がたも網の中で排卵しました。
少々さすったぐらいでは取れません。
卵には石にちゃんと結着するように小さな粘着糸がついているらしいのです。
水に浸けたりしながら一生懸命こすってやっと取れました。
今頃の鮎の釣果はつるべ落としで先週30匹釣れたのに今週はツ抜けできない。
どんなに頑張ってもオデコしか釣れない。
という時期ですが
急に反転して一方では50匹とか60匹とか70匹とかの釣果が出始める時期でもあります。
四畳半ぐらいかもっと狭いエリアだけで
錆びた鮎が入れ掛かりになったら瀬付き鮎だと思ってください。
錆びていても焼いてみたら味は普通の鮎と全然変わりません。
また、不思議なのですがこの錆びた鮎は冷凍庫に入れていると数日後にはこの錆びが取れています。
鮎の漁法にはいろいろな楽しみ方があります。
友釣りだけでなく、餌釣り、コロガシ、やな、投網、シャクリ等々
それは昔からその地域に根付いた文化です。
人と鮎が織りなす文化をどうやって後の世代に引き継いでいくのか‥‥‥
今年の遡上の少なさが単なる杞憂に終わってくれることを願います。


