鮎釣り師ガバチャのひとり言

釣りあげた鮎で仲間と酒を飲む   これ人生のユートピア!


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     翌日また野良猫はやってきた。
     今度は家内を呼んで鰹節と牛乳を与えてやった。

     牛乳だけピチョピチョピチョピチョ飲む。他のものを与えても残すのだがいつも牛乳だけは全部平らげる。

     そんなある日、名前でも付けてやろうかと思案した。牛乳が好きなのでミルクの2文字をとってミルとした。うん、これは粋な名前だと自画自賛。

     さっそく手の平をだして「ミル、ミルミルミルミルミ・・ルミ、ルミ」げっ、ルミ!えっ 
     ルミはやばいよルミは~。ぼつ。
     やっぱ平凡な猫だから凡の助にしよう。「凡の助、これ凡の助や」なんか落語みたいになっちゃったなと思ったら、背中を向けて出て行ってしまった。

     そこへブログを見た中学生時代の同級生ウネからのメール。
    「ミルクの反対でクルミにしたら」とのこと。

     確かに野良猫は雄か雌かもわからない。クルミならどちらでもオッケーな名前だ。クルミに決定。

     ノソノソ遠ざかる野良猫の背中に「クルミ」と呼びかけたら、ピタリと歩行を止めてこちらを振り向いた。おおっ、振り向いたぞ! ひとり喜んでガッツポーズ。

     首だけこちらを向けていぶかしげにじっとこちらを見るクミル。「そうだおまえはクルミだ。はは」暇だと些細なことがうれしい。

    「クルミ」ともう一度言ったらぷぃと背中を見せてまたノソノソ歩き始めた。
     ボクはギプスの足をかばいながら立ち上がると「クルミ、こらクルミ、お前クルミやど、また来いよクルミ、クルミカムバ~ック」とかなんとか言い続けた。
     が、結局クルミは一度も振り返ることなくゴゾゴゾと隣の敷地へと消えていった。

     で、その後クルミがどうなったのかというと、完全にうちの子になっているのでごじゃいますにゃ~
    べーっだ!グッド!




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     月日は流れて昨年、ちょっとした出来事がボクにあった。
     
     鮎釣り中に河原でコケて足を骨折。
     右足のかかとをつぶしてしまった。
     
     ギプスで松葉杖のボクは情けなく縁側でジッとしておくしかなかった。
     そこへ現れたのがあの野良猫。
     
     かつての俊敏な動きはなくノソノソと歩いてくる。ボクと目が合うとピタリと足を止めた。ジッとにらみ合う両者。何年ぶりの対峙だろう。

     ボクがギプスに手を置いて視線を緩めると、安心したのかまたこちらに歩み寄る。その緩慢な歩みにおまえも年をとったんだな、といささかの同情がわいた。

     気持ちが伝わったのか目の前まで来るとニャ~と鳴く。
     積年の恨みとばかり松葉杖でひと突きでもすれば簡単に片が付く至近距離。そこでニャ~と鳴かれたら仕方ない。

     腹減ってんのかおまえ。とふと、食事を与えられるだけの今の自分と重なった。重たい体を松葉で支えて片足で立ちあがる。

     確か鰹節があったなと、ケンケン飛びで台所に。とっ、ウワー。ドンガラガッシャーン。高さ5センチもない敷居にけつまずいて頭からゴミ箱に突っ飛んだ。

     二階で本を読んでいた家内が駆け下りる目
    「だ、大丈夫かいなおっさん?」のぞき込む家内。

    「猫が~」と突っ伏したままうめくボク。
    「猫~?」家内が振り向いた時には、すでに野良猫は驚いてどこかに逃げてしまっていたかお



    クルミのおねだりのニャ~を聞いてやってください音譜



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