もうクリスマスなんだな。
今日のお昼はカレーライスだった。
クリスマスにカレーライス・・・・・・。
ガバチャは貧乏な家に育った。
小学4年の頃だったか、友達と遊んでいるとみんなクリスマスケーキの話になる。
うちはチョコレートのを頼んだとか、イチゴのを頼んだとか。
小さな村だったので、農協かどっかに行ってカタログで注文することになっていたのだろう。
我が家にその気配はなかった。
私はさみしい気持ちで友達らの会話を聞き流すしかなかった。
毎年のことではあるが、私はクリスマスの日が子供ながらに憂鬱だった。
妹には「今年こそきっとお父ちゃんがどっかから買ってくるよ」と元気づけた。
だが、働き先からせわしく帰った母から聞かされた言葉は
「忙しくてクリスマスケーキを買う暇がなかった。ごめん」
だった。
まだ仕事で汚れた母の手には、小さな菓子パンが二つ乗っていた。
私は気落ちし、二つ下の妹も黙って口をとがらせていた。
今夜、他の家ではおいしいクリスマスケーキを食べるんだろうな、と。
しばらく部屋で漫画を読んでいると妹がすっ飛んできた。
「おにいちゃん、おばあちゃんがクリスマスケーキ買ってあるから食べに来いって」
私は表情を一変させ、少し離れた所に住んでいるおばあちゃんの家に妹と駆けだした。
小さいけどおいしいクリスマスケーキだった。
気がつくと陽はどっぷり暮れていた。
暗い夜道を、妹の手を引いて急いだ。
帰宅すると、母と父が私たちの帰りを待っていた。
私たちはおばあちゃんの家に遊びに行っていたと言って
クリスマスケーキのことは言わなかった。
夕食は、母が私たちを少しでも喜ばそうとしたのかカレーライスだった。
私はクリスマスケーキでおなかがいっぱいだった。
カレーがなかなか進まない。
読みたい漫画の本もあって、かなり残してごちそうさまといった。
その時、コップ酒を飲み終えた父が爆発した。
クリスマスなのに
食べ物を粗末にするんじゃねえっ!
はい?
なにとぞ
全国の皆さまが穏やかな
クリスマスでありますように。。。
