私の鮎釣り仲間の先輩Tさんの話です。
有田川ダム上のオートキャンプ場で竿を出した日のことです。

ひとしきり釣りをして大阪まで帰宅してから忘れものに気が付きました。
忘れ物はなんと入れ歯です( ゚Д゚)
どうやら鮎釣りの最中に川で入れ歯を外してすすいだようです。
その直後に鮎が掛かり、夢中になって入れ歯をその石の上に置いたまま鮎を釣り続けたのでしょう。
帰宅して気が付くと大慌て!
その川に近い和歌山に住む弟さんに
これこれしかじかで入れ歯をあのあたりの石の上に置き忘れたので今から取りに行ってくれ!
とけっこう無茶な指示を飛ばしたとのこと。
もぅどっぷりと日は暮れて外は漆黒の闇です。
それでも、弟さんはしかたなく懐中電灯を持ってその河原におずおずと出向きました。
がしかし、いくら探しても入れ歯は見つかりません。
そして、雨が降って川は増水してきています。
そのことを告げるとTさんもついにあきらめたようです。
弟さんはきっと内心ホッとしたような気持ちで捜索を打ち切られたのではないでしょうか。
それはそれは、増水中の夜に川の中の石の上に置かれた入れ歯を見つけて取ってくるというのは不気味なミッション・インポッシブルでしょうから。
翌日、夜明けを待たずしてTさんは現地に駆け付けると捜索を開始。
薄っすらと夜が明けてくると川は増水しています。
必死の形相であれこれとそのあたりの石の上を探して手でまさぐっていたら
カチャリと音がしてジュボッと何やら川の中に落ちました。
見ると朝日の差し込む川底で入れ歯がキラリ。
Tさんは天にも昇る思い出その入れ歯を拾い上げると、満面の笑みで合体!
完全体のおのれを得たTさん。
勢いのある足取りでキャンプ朝食を取る家族連れらに
おはようさん! おはようさん! を連呼しながら闊歩して通り抜けました。
見つかって何よりでしたが
万が一、キャンプの川遊びをする子供にでも発見されていたら
ちょっとした騒ぎになっていたことでしょう。
またあるいは鮎釣り師の場合
川底に落ちた入れ歯にオトリ鮎が根掛りをして
手を伸ばした先で入れ歯をオトリ鮎と一緒に拾い上げたとしたら
そらギョッとする恐ろしいものがあると思います( ゚Д゚)
けっこうおっちょこちょいエピソードの起こるTさんの場合
鮎釣りの際には入れ歯も尻手ロープで結わえておいた方がいいのかもしれませんネ( *´艸`)

