昨今の群れ鮎について考える

群れ鮎の宝庫と揶揄される有田川のダム上。
ここでこの前94匹釣ったときのことを回想します。
前日に三桁釣りされた年配者は、堰堤のたまりだけで昼までに90匹釣り上げたとのことでした。
朝9時頃その場所に行くと、既に先客がおり30匹ほど釣ってました。
しかし、型が小さいので場所移動をするとのことで、ガバチャがタイミング良く入川できました。
やってみると、予想した以上に型の良い鮎が掛かります。
なぜ、と思ったら小型になり、やがて小型ばかりとなりました。
やる気が失せ、なんとはなしに下手の瀬に移動します。
堰堤から続き下がる50メートルほどの瀬で、それ以降は淵に落ち 込んでます。
順番に釣り下っていったら、淵の手前のここからは淵に向かって落ち込むところの手前で型の良いのが掛かりました。探ってみると、その辺りの流心やヘチで入れ掛かりです。
大きな石の上に乗り立って、偏光で見下ろしてみました。
目をこらすと、流心の底の方で一抱えほどの黒い、いや灰色のような川底とは色の違う塊が丸くなったり帯になったりうごめいてます。
鮎の蝟集だと思いそこにオトリを投げ入れました。
竿を寝かせたら、ダンッ!です。
グリグリ暴れられ、黒いタマが驚いて散ります。
でも、次のオトリを送り込むときにはまたそこいらでうごめいてます。
まれな瀬の見釣りです。
川が小さく澄んで顕著な群れ鮎がいないときにしかできません。
が、しばらく楽しむと全くどこにもいなくなりました。
今度は登ったかと瀬を上手に見て上がります。
泡立つ瀬でその群れを確認するのは困難で、緩いところで一瞬見えてもすぐに不明となります。
また、元の堰堤のたまりに戻ると驚くような群れができてます

こんな事を一日繰り返してわかったことは、堰堤の群れ鮎は下手の瀬に下っては登り、また下っては登りを一定の時間をおいて繰り返しているということでした。
そして、いくつかのグループに離合集散し、堰堤に来たときに全体が合体して驚くような塊になります。
堰堤での様子を間近まで寄って見てみました。
鮎の塊は大きく二つに分かれています。
中層でランダムに群れているものと 底を這うように隊列を組んでいるものです。
見た感じでは、この底を這うように隊列を組んでいる群れ鮎が型が大きいと思いました。
ガバチャが最初に釣り上げたのは底の鮎。その後、掛かったのは中層のチビだと思います。
このときの糸は高比重の複合003でした。
最初の型の良いのはたまたま、沈むまでにチビが掛からず底まで届いて型の良い群れ鮎に当たったのだと思います。
以降は、沈むまでにチビが掛かったのではないでしょうか。
鮎釣りの基本は、底を取れ、石を釣れと学んできました。
ところが昨今の群れ鮎は、それより上層を泳いでます。
昨年、高比重の複合でいくら群れ鮎に入れても掛からないガバチャの横で、フロロの0.15で入れ掛かり下 したオーイカズさんは言います。
メタルや水切れの良い糸はオトリが直線的に進んで群れは掛からない。
フロロは、横ブレの動きが出るのと泳ぐ層が群れの辺りに来る。
腑に落ちるのは、実績がそうなっていたからです。
60、70と釣ってついには三桁釣りです。
思い返せば、ガバチャにはよく糸に群れ鮎がダンダン当たる振動が伝わってきていました。
これは、オトリ鮎が群れより下層を泳いでいる証拠でしょう。
やはり、玉になった群れ鮎を釣るにはフロロかナイロンでじっくり泳がせる方に軍配が上がるようです。
群れ鮎と一緒に泳がせて鮎を掛ける。
そのような釣りを友釣りではないと言われる方もいるかもしれませんが、現在、ほとんどの河川でこの ような群れ鮎がいるのではないでしょうか。
この群れ鮎をうまく釣るというのも、友釣りのカテゴリーに入れなければならない時代になってきているのだと思います。
特殊な例かもしれませんが、某河川ではメーカーの鮎釣り大会直前に鮎を放流し、当日の大会が溜まりの群れ鮎にあたった者に爆釣を与え、しっちゃかめっちゃかになったという話を聞きました。
今やトーナメンターとて、この群れ鮎対策を念頭に入れなければならない状況になっているのではないでしょうか。
ガバチャは友釣りのキャリアが比較的浅いのでよくわかりませんが、40年、50年のキャリアのある方に聞いても、群れ鮎は昔からいたと言います。
最も今ほど顕著ではなかったとも言われますが。
ここで、ガバチャの94匹の話に戻りましょう。
結局このときの釣果の2/3以上は瀬で掛けました。入れ掛かりです。川が濁って群れ鮎の玉が見えなかったら、釣果はもっと減っていたでしょう。
ただ、感じたのは、もし濁っていて川底が見えなかったら、自分では群れ鮎を釣ったとは思わなかったでしょう。
付き鮎と群れ鮎のアタリや掛かりの違いはわかりません。特に瀬では、ガガンダンダンバリバリと同じです。
このような経験は、いつもやや濁ってて底の見えないダム下の瀬で入れ掛かりする釣りと何ら変わりません。
今になって思うと、ダム下の瀬での入れ掛かりは、群れ鮎ではなかったのでしょうか。
自分ではこの石にあの石にとやっているつもりでも、オト リが正確にどこを泳いでいるのかは実のところ正確にはわかっていませんし。
もしそうだとすれば、なんだ群れ鮎釣りか、と言う言葉は吐けなくなってしまいます。
この群れ鮎が瀬で掛かりやすいのは、瀬の場合うまく群れのタナに当たっているからだと思います。
瀬は、沈みやすい糸でも流速に負けてややオトリが浮き気味になるとか、あるいは竿を繰るときにオトリが必然上下運動をするからではないでしょうか。
つまり、知らず知らずのうちに三次元の釣りが実現されてバリバリ入れ掛かってしまう。
あるいは、群れ鮎は瀬のように流れのきついところでは流速の遅い底に底に這うように群れるとか。
このあたりは何がどうなってよく掛かっているのかはわかりませ んが、二次元的には目視でオトリ鮎を合体させているので、三次元的なマッチングがベストポジションに置かれている結果には違いありません。
また、流れの勢いで鮎が攻撃的になるというのもあるかも知れません。
さて、ガバチャの前日堰堤だけで三桁釣りされた年配者は、全て型が小さかったと苦笑いしてました。
おそらくガバチャとは違って、比重の軽いナイロンかフロロで釣ったのではないのかと想像します。
清流の中で漫然と釣り糸を垂れるというのも趣があって楽しいですが、たまにはこのようにあれこれ考えてみるというのも鮎釣りの楽しみなのではないでしょうか。
現場の状況に応じて何をどうするか、当意即妙行えるようになるためにはまだまだ考えないといけない 事はたくさんあります。
そう、鮎釣りは果てしない旅。
だから死ぬまでやめられない。
「考動」し、一生勉強一生練習

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