和歌山で勤めていた時、職場のフェンスに暴走族風の車がつっこんだ。警察が来て「てきゃ、てきゃ」と現場検証をする。敵ゃ、とはかなり敵対してるなと思ったら「てきゃ」は彼と言う意味の三人称単数であった。
 和歌山の彼は敵味方関係なく「てきゃ」である。

 仕事で現場監督に出ると、厳つい土木作業員が仕上がったコンクリートの壁を見て「美しい」とだみ声を上げる。仕事が終わって、汚れた長靴をタワシで洗ってもひげ面のおっさんらは「美しい」とだみ声を連発する。

 美しいの適応範囲が広く違和感を持ったが、これが最上級になると「がいに」が付く。「がいに、美しいやして~」と和服のママさんがカウンターの隅に置かれた花束をうっとり愛でるガーン 最上級は微妙~だと思った。

 職場レクでおでんを作っていたら空だきになるほど煮すぎてしまった。
 先輩が蓋を取って「あかな、こりゃあ、けつけつにもじけてしもうちゃあら」と水を足す。 

 ぜんぜんはデンデンと発音する。職場の女性が相手先に電話がつながらず「デンデン出ん」とぼやく。パチンコ屋で「どうや?」と訊いたら「デンデン」とそっけなく答える。この場合は「全然」でも「出ん出ん」でも話が通る。

 銅像はドウドウだ。
 もし、堂々たる象の銅像があったら、ドウドウたるドウのドウドウとなる。

 居るをあると言う。これが一番驚いた。
 在宅の確認を「おとうさんあるか?」「ないわ」とやられる。

 まあいい、明日にでも粗大ゴミに出されそうな自分には和歌山弁で正解だ
むっ




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