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きっかけは、今シーズンから鮎釣りを始めたいという方がいて、鮎釣りの仕掛けづくりを教えてほしいからと言われたからです。
鮎釣り師は意外に自分の仕掛けのことはつまびらかにしないもので、聞かれればボソボソと答える程度です。
私のブログ歴にも書いたことはありませんでした。
最近ではYouTubeにメーカーやプロなどがたくさん載せているので、コンフィデンシャルもくそもないのでしょうが。
それから、先週ある本を読んでいてこんなことを考えてブログをしている人がいるのだということを知ったのも一つのきっかけになりました。
それは、自分の日常をブログに書くのは、加齢でいつ自分がアルツハイマーや記憶喪失になるかわからないので、いざというときに自分が何者であったのかを読み返し思い起こすために、と書いてありました。
なるほど確かに!
アルツハイマー予備軍の私は納得です。
中島敦の小説「山月記」はあまりにも有名ですが、「名人伝」という小説を私は思い出しました。
弓の神様と言われた主人公が、最期は廃人のようになったという人生のはかなさを書いた小説です。
さて、前置きが長くなりましたが、私は鮎釣り解禁前のこの時期になると屋根裏のアジトにこもってセッセコと仕掛けの作成を行っています。

家内からはまた始まったか、と桜の花が咲くような煌めく季節感とは違う我が家の一触即発の風物詩となり、私の象牙の塔よりも家内のツノの方がはるかに高いという戦慄の館へと変貌する季節でもあります。
まず、家内の目を盗んで、この時期大量の軍資金が仕掛けづくりなど鮎釣り準備に消えていきます。
そして、決まった時間に飯を食べない。
さらには、屋根裏の大きなねずみ男の足音がうるさい。
過去には、階段に三本イカリが落ちていて、家内の足に刺さり私は回し蹴りを食らって吹っ飛んだことも・・・などなど。
私が鮎釣りを始めた30年前は完全仕掛けなど売ってなかったので、すべて自分で作らなければ鮎釣りはできませんでした。

そのうち鼻カン仕掛けなど二次製品が発達して店頭に置かれるようになってからも、自分の目にかなうものはなかなか出てきませんでした。
しかし今は完全仕掛け充実の時代です。
自分が作ったものより良い商品が続々並べられています。
高いか安いかはその人の仕掛けを使う頻度、つまり釣行日数にもよるので何とも言えませんが、年に10回釣行する人と60回釣行する人ではコスパが全然変わってきます。
例えば、水中糸にフロロ0.2号を30m巻きを1300円で買い、天井糸にフロロ0.8号の30メートル巻きを1000円で買い、鼻カン、逆バリ、鼻カン糸、根巻き糸、針、ハリス、編み込み台等等すべて含めると最低でも2万円のイニシャルコストがかかります。
年に10回あるいは数回しか釣行しない人が、これを買いそろえて仕掛け作りをしても、ほとんどあまって年越しします。
フロロカーボンやナイロンは家に置いていても経年劣化するのです。
定年者などが時間に任せて仕掛けをたくさん作りすぎて、何年も前の仕掛けで鮎釣りをしたらブチブチ切れてしゃーないと嘆くのはこれです。

なので私がおすすめするのは、
まず、今年から鮎釣りを始めたいという方はナイロンかフロロカーボンの完全仕掛けを小さい号数と大きい号数をふたつ買ってください。
ひとつ1000円前後です。
それで実釣して鮎釣りの楽しさをまず知りましょう。
川に立つ爽快さ。鮎の掛かる楽しさ。タモ網に取り込むまでのスリリングな緊張感。取り込んだ時の天まで突き抜けるような達成感。

ただし、現場で仕掛けが切れたりのトラブル対処法だけはちゃんと覚えておく。
鮎釣りのお始めはこれで良いと思います。
それでも、仕掛けを自分で作るというのは楽しいものです。
また、それで釣れたらさらに楽しいのも間違いありません。
ただ、仕掛け作りからちゃんと覚えてイチから始めていくという手順を経なくても、完全仕掛けで始めてパラレルに仕掛けのことも勉強していく。
その過程でここは自分の作ったものでやりたいということが出てくれば取り組んでみるでどうでしょう。
なんせ遊びなので演繹にやる必要などないのです。




