ooooo

私は20代前半に和歌山のとある職場で働いていた。
その時に私たちにあるビッグプロジェクトの仕事が舞い込んだ。

なんでも、泉南の山を削って海を埋め立ててどでかい空港を作るというのである。
それが今の関空だった。

そして、土を取る山の性状を調べるためにボーリング調査を行うことになった。
私たちは二人一組となり、渡された登山用具一式を身にまとい地図とコンパスを片手に泉南山脈の道なき道を山頂へと登ることとなった。

パンパンパン!
ガサガサガサ!
犬たちの鳴き声と獣の走る音( ゚Д゚)

伏せろー、イノシシ狩りだー!

私は先輩にヘルメットを押さえつけられて木の下に潜りこんだ。

決して大げさではなく命がけのミッションだった。

何とか山頂に上り詰めると今度はトランシーバーで連絡を取る。
やがて山の稜線からドドドドッと大きなヘリコプターがボーリング機材をぶら下げて現れた。

私は山頂で両手を振ってヘリコプターを待った。
杭を打っていた先輩が慌てて飛んでくる。

おぃっ、早く逃げろー!

近づいたヘリコプターのダウンウォッシュで
私の体はバランスを失い反対側のガケから滑落寸前で先輩の腕にがっしりとつかまれていた。

命拾いしたのー、と先輩が額の汗をぬぐう。

二人はへちゃりこんで大きく肩で息をした。

 しばらくして落ち着くと私と先輩はおにぎりをほおばった。

「先輩、この山を削った後は何になるんですか?」
「森林公園やって聞いたけどな。野球広場とか子供の遊べるアスレチックとか」
「へー、でも何十年も先でしょうね?」
「ああ、そこで遊びたけりゃあ、さっきみたいに下手こいて死なんこっちゃな・・はは」
 私は口をゆがめて苦笑いを返した。

 その時、私は今の家内にフラれて心しおれていた最中・・・

 それがまさか、40年も経ってこんな日が来るとは思いませんでした。
 青々とした関空土取場の跡地をマーゴが走り回っているなんて・・・
キャiiプチャ


一昨年、突然逝ってしまった先輩。
私はまだちゃっかりと生きています。
キャttプチャ


でも、こいつがその話を・・酒を酌み交わしながら聞いてくれるまで
自分も生きているかどうかは自信ありませんけどネ(*´ω`)IMG_20200514_094347