秋風が心に届いたかのように、鮎釣り熱が冷めている。今年は何匹鮎を釣ったのだろうか、などとカレンダーをめくってみる。途中からつけてないが、高知の安田川で釣った数だけはちゃんとつけていた。

 13日釣行で507匹。一日平均39匹。神戸からの帰郷で、丸一日釣ってない日もあるので、自分で自分をほめてやりたいところ・・だが、今年はすこぶる型が小さかった。20センチを超えたのが1割いたかどうか。おそらく16、7センチあたりを山にした正規分布で、10センチクラスもけっこういたと記憶する。

 鮎釣りは数と型が比例しない。何年も鮎釣りをやっていれば、型の良い鮎が掛かる場所はだいたい見当がつく。が、そのような場所では必ず数が落ちる。また、反対に型は小さいが数の上がる場所もだいたいわかる。

 悲しいのは、僕らの釣りがたいてい数で評価されることだ。「僕らの」とは、趣味で鮎を釣るサンデーアングラーのことだ。いくら良型を上げても、数が少なければ適切に評価されない。

 河原で出会った釣り人に「釣れましたか?」と訊かれて8匹とか答えたら「えっ、たったそんだけ」みたいな顔をされ、「でも型が良かったので」と返すと何だか言い訳みたいに響いて、漫画によくある頭の上に舞いくり絡まった模様が描かれた感じになる。

 ならば、と妙な意地っ張りを沸かせて、やたらめったらちんけな数釣りに執着し、チビ鮎でスコアメーキングしてしまうこともある。

 それでも、帰り際に同じ人から「あれからどうでしたか?」と訊かれ「42匹でした」と返すと「ほー」と感心され、漫画によくある頭の上に舞いくり絡まった模様が、一瞬消しゴムで消したみたいになるのでこれはこれでよかったのかもと思う。が5秒も経たぬうち、いやいややっぱりこれは・・・と忸怩たる思いがボンボン膨らんで、またまた漫画によくある頭の上に舞いくり絡まった模様が描かれた感じになる。なんのこっちゃない、小さかったのは鮎だけでは無く、自分の度量もすこぶる小さかったのだとプチ嫌悪に陥いるのである。

 ただ、こと安田川に限ってはチビ鮎も釣りがいのある釣りとなった。個人的な事情からくるものだが、うちのオヤジは釣ったばかりのチビ鮎を選んでは輪切りにし、酢でシメて大葉とミョウガをきざみ「背ごし」にする。それを箸でつつきながら晩酌するのが至福のひとときなのだ。「背ごし」は骨ごと食べるので、小さい方が美味しく食べられ安田川のような水質の良い川でしか許されない料理だ。

 こんなオヤジのおかげで、型がそろわなかった今シーズンもなんかヤッタナ感には浸れれている。

 詳しくは書かないが、今年釣り方を少し変えた。「短竿釣法」とだけ記しておこう。釣果が上がったかどうかは不明だが、楽ちんで楽しいのがイイ。

 もう若くはない。体力的ながむしゃらさで釣果をあげることは無理となった。これからは、精神的なエネルギーを仕掛けや釣り方の探究心に振り向けたい。

 今年の釣行日数も50日を超えた。安田川の13日を除けばほとんどが和歌山の有田川なので、総釣果は千匹にはとどいているはずだ。

 先週の三連休は一日も竿出しをせず、家族と一緒に庭木を剪定したり家の片付けごとなどをした。家内のエクソシストのテーマみたいな鼻歌が耳に届いて、やたら秋風がサムく感じられもした。

 いずれにせよ、友釣りファイナルは確実に近づいている。
 今年はやや遊びすぎた感もあるが、とどめ釣行として10月の三連休、お仲間と一緒に高知の安田川に帰郷して竿仕舞いとしたい。




 型ねらいに徹してオデコをくらった3人。
 監視員に釣果を訊かれて・・・(-_-メ




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