「どうかされましたか?」
「車の中にカギを閉じ込めてしまって・・・」
「ほー」
と小太りの中年は少し思案をするような表情を見せたあと
自分の軽四の後部座席をゴゾゴゾと探って何やら取り出した。
それは、大工で使う時のカネサシ(金属製の直角定規)であった。

小太りの中年はそのカネサシを運転席側の窓ガラスに添えると
力を入れてドアの隙間に差し込んだ。
そして、左右にそのカネサシをグッグッと動かした。
パン!
乾いた音とともに車のロックが解除された。
私と先輩はまるで手品でも見ているようにあっけにとられた。
気を取り直した先輩が慌ててお礼にと買いこんできたパンを渡そうとしたら
小太りの中年はもう車に戻ってエンジンをかけていた。
「これからは気をつけなよ」
と言い残すが早いかまた山道を登って行った。
とにかく救われた。
私と先輩はその時はただ安どの気持ちだけでいっぱいだった。
が、やがて峠を降りる頃には先ほどの顛末を思いおこして
私と先輩は同じ考えを抱いていたようだった。
「あんなことが一瞬でできるんやったら、車上荒らしなんか一発やな」
とハンドルを握る先輩が口元を緩めた。
「先輩、失礼なこと言っちゃいけませんよ。泥棒するような悪い人間が人助けなんかするもんですか」
と返しながら私も口元を緩めていた。

翌年、私はまた真国川の同じ場所に一人でフンドウジャクリに行った。
先輩は転勤してしまった。
私は愛車の三菱ミラージュを人気のない山道に止めた。
タイツに着替えてフンドウジャクリの支度をすると
草の生い茂った河原への道を降りて行った。
鮎はたくさんいた。
私は夢中になって次々と河原のポイントを移動した。
陽が傾きかけた頃に私は石に躓いて転倒し膝を打撲した。
その拍子に箱メガネも割ってしまった。
私は足を引きずりながら車に戻ってきた。
フンドウジャクリで獲った十数匹の鮎をクーラーボックスに入れて
私は和歌山市内まで帰ってきた。
喉が渇いたので宿舎の前の自動販売機に寄った。
ジュースを一口飲んだところで私はある異変に気が付いた。
あれ?
財布の中・・・
私はもう一度財布を取り出して確認した。
確かに今朝持っていた2万5千円ほどの札が全く入っていない!
小銭の入っているところにはちゃんと小銭は入っているのに。
私は鮎を獲っている最中、財布を車の中の座席の下に隠しておいた。
ひょっと落としてしまったのかと
座席の下や車の中を何度も探したがお札はどこからも見つからなかった。
車のカギはちゃんとロックしてあった。
戻ってきたときにも間違いなくロックは掛かっていた。
あーっ! まさか・・・。
私は一年前の先輩との出来事を思い出して
ガックリと肩を落とした。
いやはやなんとも情けない・・・
助けてもらった時には身に付かなかったのに
自らが痛い目にあって初めて身につく防犯意識。
それ以来
私は車の中に財布を隠して鮎釣りに河原に降りるなどということは
一切しなくなったし
また
フンドウジャクリもその時を機会に一度もしなくなったのである。
小学生の時
女の子にモテようと
この早口を練習したけど全然ダメだったわ( *´艸`)
| 「走れコウタロー」は発売直前にメンバーが急死して…|昭和・平成ヒット曲の裏側 - 日刊ゲンダイ 「走れコウタロー」は発売直前にメンバーが急死して…|昭和・平成ヒット曲の裏側 日刊ゲンダイ (出典:日刊ゲンダイ) |
| 走れコウタロー(はしれコウタロー)は、日本のフォークグループ・ソルティー・シュガーの2作目のシングル。1970年7月5日発売。発売後、口コミでチャートの順位を伸ばし、最終的に100万枚近いヒットとなり、ソルティー・シュガーは同年の第12回日本レコード大賞新人賞を受賞している。コミックソングの1つでも 13キロバイト (1,658 語) - 2019年11月16日 (土) 01:31 |
【貴志川で違法な鮎釣りをして罰が当たる その②】の続きを読む











